
ドライバー保険て自動車保険とちがうの?
という方向けの記事です。



あまり馴染みない保険ですよね。ドライバー保険のすべてがわかるように心掛けました。参考にしてみてください。
ドライバー保険という保険を耳にするけれど、なんだかよく分かりにくいですよね。そもそも保険が小難しいものですし、一般的な自動車保険でさえ理解しがたいところがあります。
この記事でわかること
- ドライバー保険とは何なのか
- ドライバー保険の注意点
- おすすめのドライバー保険
- 他車運転特約と1日自動車保険との違い
ドライバー保険とは?わかりやすく・おすすめ・注意点など
まずは簡単ですが結論から。
ドライバー保険とは、一言でいうと「自分にかける保険」です。
おすすめは、“人身傷害保険が付けられる”保険会社を選ぶといいと思います。
注意点は..
- 基本、人身傷害保険は付けられない(搭乗者傷害保険はOK)
- 車両保険は付けられない
- ロードサービスがない
主にこのような注意点があります。
詳しくは下の方の記事をご参考ください。
ドライバー保険とは?
ドライバー保険は、自動車保険のカテゴリーに入ります。ただ、一般的な自動車保険との違いがあります。
ドライバー保険とは「自分にかける保険」。また、「他人の車」を運転している時に補償します。一般的な自動車保険は「車にかける保険」。また、「マイカー」を運転している時に補償します。
たとえば、一般的な自動車保険は、車を購入すると、その車に保険をかけますよね。基本的に、その車以外を運転している時は補償されません。(※他車運転補償特約により例外はあります。)
一方、ドライバー保険は、マイカーを持たない人が自分に保険をかけます。
他人の車であればどの車を運転しても補償されます。
注意点
ドライバー保険の注意点は以下のとおりです。
- 人身傷害保険は付けられない(損保ジャパンなどのドライバー保険は付けられるようです)
- 車両保険は付けられない
- 本来は無料で付いているロードサービスが付いていない
- 「レンタカー特約」は付けられない
- 本来は無料で付いている「被害者救済費用特約」は付いていない
「他人の車」の条件は?
車の所有者が他人で、かつ、「自家用8車種」といわる車と、「二輪自動車」と「原動機付自転車(原付)」の計10種類の車のことをいいます。




二輪自動車には普通二輪自動車や大型二輪自動車など種類がありますが、自動車保険の世界では、125cc超のものはすべて二輪自動車としています。
125cc以下のものはすべて原付です。


ちなみに、レンタカーも「他人の車」になります。
いわゆる4ナンバーの車も、その車の所有者が他人であれば「他人の車」になりますね。
一般的な家庭で使われる3ナンバーや5ナンバーが「人の移動手段」として使われるのに対して、4ナンバーは「物の輸送」を使用目的とした車となっています。建設業者さんがよく使っているバンタイプの車ですね。
仕事に使うことが多い4ナンバーでも、このように条件をクリアすれば「他人の車」としてドライバー保険が使えます。
以下の車は「他人の車」になりません。つまり、ドライバー保険は使えません。以下それぞれの車はそれぞれの自動車保険に入っておく必要があります。
営業用の車は、ドライバー保険で補償されません。たとえば、運送・配送事業者として登録している車、(個人)タクシー、路線バスなど。ナンバーの色が「みどりベースに白字」「黒ベースに黄色字」のものですね。
本人の配偶者・同居の親族が所有する車は「他人の車」になりません。
本人が役員となっている法人が所有する車は「他人の車」になりません。
本人が仕事のために運転する勤務先が所有する車は「他人の車」になりません。
保険の内容
保険の内容


ドライバー保険は、一般的な自動車保険と違います。
自動車事故の相手へ賠償するための「対人賠償」「対物賠償」に、ほんのすこしプラスα補償があるイメージです。
プラスαについて具体的には、「搭乗者傷害保険」もしくは「人身傷害保険 ※一部の保険会社のみ」、これだけです。
さきほどの注意点にも書きましたが、以下のような、一般的な自動車保険であれば付いている補償がありません。
- 「車両保険」なし
- 「ロードサービス」なし
- 「レンタカー特約」なし
- 「被害者救済費用補償特約」なし
- 車両保険とは
-
自動車事故で自分が悪いのか相手が悪いのか関係なく、車の修理代または買替え代を補償してもらう保険です。
※自分が悪いのか相手が悪いのか=過失割合
つまり、相手が悪い事故の時は相手から修理代などを補償してもらえますが、自分が悪い事故の時は補償がありません。
- ロードサービスとは
-
JAFの代わりのようなものです。事故や故障で車が動かなくなった時など、レッカー車が修理屋さんまで運んでくれます。
費用は、多くの場合は無料です。自動車保険の無料付帯サービスになっています。
車を貸してくれた方が自動車保険(ロードサービス付)に入っていれば、かつ、その方の了承をもらえれば、その方の自動車保険のロードサービスを使えば済みます。けれども、その方がわざわざ保険会社に連絡しないといけないので、いろいろ面倒をかけることになります。
つまり、レッカーを自費で手配するか、または、JAFに入っておくことをおすすめします。
- JAFとは
-
レッカー搬送などのサービスを有料で提供している会社。
- レンタカー特約とは
-
事故や故障でマイカーを修理屋さんに預けている間、好みのレンタカーを借りられる特約です。修理屋さんが貸し出してくれる事が多いですが、その修理屋さん(ディーラー)で「修理すること」または「車を買い替えること」が前提になります。
つまり、気兼ねなく代車を借りられません。
ちなみにですが、レンタカーを借りるだけでなく、事故や故障の現場から自宅までの交通費(電車、バス、タクシー代)や、現場近くのホテルに泊まった場合の宿泊代も補償されます。
- 被害者救済費用補償特約とは
-
自動運転車での事故を想定しています。自動運転車の欠陥や不正アクセスが原因で人をひいてしまう事故を起こした場合、多くは運転者に責任がなく、メーカーなどに責任があります。責任がないということは、賠償する必要がなく、また、保険を使う必要がありません。けれども、目の前には被害者がいます。そんなときに自分の自動車保険を使って被害者を助けるための特約です。
自動車保険の中の対人賠償責任保険は、運転者に責任がある場合に使う保険です。なので、上記のようなケースでも補償できるようにしているんです。
一般的な自動車保険に無料自動で付いてるはずですが、比較的あたらしい特約なので自分の自動車保険に付いているか確認した方がいいと思います。
保険料
ドライバー保険に入る本人の年齢が、21歳未満か21歳以上で決まります。つまり、保険料は大きく分けて2種類だけです。
21歳以上だと年間約35,000円
21歳未満だと年間約60,000円
このぐらいの保険料です。
保険期間は最長1年
保険期間は最長1年です。1年経ったら更新すれば継続できます。
1ヶ月、3か月の短期間も可能です。この場合、まず1年契約をします。その後、たとえば1週間後に解約手続きをします。
1ヶ月で解約したい人の例↓
ある年末、ドライバー保険を検討中。なぜなら、年明けから1ヶ月間、友人の車を借りて一人旅をしたいため。1/1始期日でドライバー保険を契約。一人旅が落ち着いた頃1/10に、1/31付解約を保険代理店またはネット保険会社に申し入れる。
以上です。あとは、保険代理店やネット保険会社に従って解約手続きを済ませばOKです。
まずは、1年契約のドライバー保険に入る。
解約したい日付を指定して、解約。
残り11か月分の保険料はどうなる?
返金されます。ただ、月割り11か月分ぴったり返金されないケースもあります。すこし目減りするケースもあります。
その点は、事前に保険代理店やネット保険会社に確認するといいですね。
1日だけドライバー保険に入りたい場合は、「1日自動車保険」に入った方が割安だと思います。ただ、プランに種類がありますし一概に言えません。また、もしかしたら1日以上車を借りる可能性があるならば、ドライバー保険の方が結果的に手間がかからず良いかもしれません。
どうやって加入する?(おすすめ)
保険代理店かネット型保険会社のどちらかになります。
さきほども少し触れましたが、「人身傷害保険」が付けられる保険会社を選ぶといいと思います。
なぜなら、ドライバー保険に一般的に付けられる「搭乗者傷害保険」は、『定額補償』だからです。「人身傷害保険」は『実費補償』です。
- 定額補償の搭乗者傷害保険
-
たとえば、死亡したら1000万円、入院したら一日5000円、通院したら一日3000円となっていて、もらえるお金が限定的で定額になっています。
- 実費補償の人身傷害保険
-
入院料や通院料はもちろん、『診察料』『投薬料』『看護料』『入院中の諸雑費』など治療にかかわるお金がいろいろ補償されます。あとは、自動車事故で遭難した際の『救助捜索費』。仕事を休んだ際の給料の代わりになる『休業損害』、『精神的損害』、『逸失利益』『将来の介護料』なども。
とにかく、もらえるお金の種類が多く、かかった分の費用が補償されるということです。
そうはいっても上限はあるので、際限なくお金がもらえるわけではありません。それでも搭乗者傷害保険と比較すると、保険として万全な備えができると思います。
ざっと調べてみましたら、保険代理店経由で加入できる保険会社は「損保ジャパン」で、ネット経由で加入できる保険会社は「三井ダイレクト損保」がありました。
等級
1~20等級で、一般的な自動車保険とおなじです。
中断(中断証明書)
中断はできません。一般的な自動車保険とちがいますね。
ドライバー保険は、一時的な利用に向いてそうです。
途中で運転者を変更できる?
途中で運転者を変更できません。これも一般的自動車保険とちがいますね。
ドライバー保険は、最初に契約した時の“運転して補償される人(記名被保険者)”は変更できません。
一般的な自動車保険は、「運転者条件」の変更により「限定なし」「夫婦限定」「本人限定」といつでも変更できますよね。
他車運転特約とドライバー保険の違い
- 他車運転特約とは
-
呼び方は保険会社によって多少変わります。
「他人の車」で事故した際に、マイカーの自動車保険を使えるようにする特約です。
無料自動で付いていることが多いです。
他社運転特約とは、上の説明のとおりです。
他社運転特約とドライバー保険、それぞれ付けられる補償がちがいます。
OK=補償を付けられる
NG=補償を付けられない
他車運転特約 | ドライバー保険 |
---|---|
人身傷害保険OK※ | 人身傷害保険NG |
車両保険OK※ | 車両保険NG |
被害者救済費用補償特約OK | 被害者救済費用補償特約NG |
レンタカー特約OK※ | レンタカー特約NG |
ロードサービス △ | ロードサービスNG |
加入方法は、代理店・ネットどちらもOK | 加入方法は、代理店・ネットどちらもOK |
※人身傷害保険・車両保険・レンタカー特約を「OK」にするには、マイカーの自動車保険に人身傷害保険・車両保険・レンタカー特約を付けている必要があります。
被害者救済費用補償特約は、基本的に無料自動で付いています。
他社運転特約のロードサービス「△」にした理由は、条件次第でロードサービス(レッカー搬送)が使えるからです。
その条件とは、マイカーの自動車保険に車両保険を付けている場合です。他社運転特約(車両特則)を使えれば、借りた車をレッカー搬送した際の費用が補償されます。
このあたりは、すこし細かい話なので、他社運転特約には基本的にロードサービスは無いものだと思っておいた方がいいです。
車を貸してくれた方が自動車保険(ロードサービス付)に入っていれば、かつ、その方の了承をもらえれば、その方の自動車保険のロードサービスを使えば済みます。けれども、その方がわざわざ保険会社に連絡しないといけないので、いろいろ面倒をかけることになりますよね。
備えとして、他人の車を借りる場合は、JAFに加入しておくといいと思います。
1日自動車保険とドライバー保険の違い
- 1日自動車保険とは
-
24時間単位または12時間単位で入れる自動車保険です。
1日自動車保険とは、上の説明のとおり。
1日自動車保険とドライバー保険、それぞれ付けられる補償がちがいます。
OK=補償を付けられる
NG=補償を付けられない
1日自動車保険 | ドライバー保険 |
---|---|
保険期間が1日 | 保険期間1年 |
家族の車OK | 家族の車NG |
運転者が複数OK | 運転者は最初に決めた一人だけ |
人身傷害保険NG | 人身傷害保険OK(保険会社による) |
車両保険OK | 車両保険NG |
ロードサービスOK | ロードサービスNG |
加入方法は、代理店・ネットどちらもOK | 加入方法は、代理店・ネットどちらもOK |
まとめ
- ドライバー保険とは何なのか
- ドライバー保険の注意すべきこと
- ドライバー保険のおすすめ
- 他社運転特約と1日自動車保険との違い
をまとめてみました。
今の時代は車を所有しない人も増えてきていますよね。一昔前はドライバー保険なんて見向きもされない存在だったかもしれません。
自動車保険、他車運転特約、1日自動車保険、ドライバー保険、いろいろ使い分けて楽しいカーライフを楽しんでください!