
ふるさと納税が良いと聞くけれど、やった方がいいの?
という方向けの記事です。



ふるさと納税をはじめる第一歩になればいいなと思います。個人的にはおすすめです。
この記事でわかること
- ふるさと納税の仕組み
- ふるさと納税の始め方
- ワンストップ特例と確定申告の違い
ふるさと納税とは


- 控除とは
-
控除には「所得控除」と「税額控除」の種類があります。
違いは下の図を参考にしてみてください。
所得控除は、税率を掛ける前の「所得」を減らす効果があります。
税額控除は、最終的に計算した税金額そのものを減らす効果があります。
所得控除と税額控除のイメージ - 還付とは
-
最終的に計算した税金額は一度納めて、後日に返金してもらうことです。
目的


2008年から制度がスタート。実は結構前からあるんですよね。
目的は、生まれ育った場所に税金をすこしだけでも納めて、いま現在生まれ育つこどもや地元の人に良い行政サービスを提供するためです。
といっても、生まれ育った場所以外の地方に税金を納めることもできます。
納めるのは住民税です。余分に税金を納めるわけではないので、その点ご安心ください!
節税ではない
ふるさと納税は、いわゆる“節税”ではありません。
所得税や住民税がかかわる話なので、勘違いしやすいですよね。
仕組みを知ると、節税というよりも「節約」につながる事がわかります。
確定申告することで、すこしだけ節税になる可能性がある程度です。
本来は居住地に納めるはずの住民税の一部を、好みの“ふるさと”に納税
私たちは、毎年、住んでいる市区町村に住民税を納税しています。※住民税=地方税
また、毎年、国に所得税を納税しています。※所得税=国税
ふるさと納税の基本は、本来納めるはずの居住地の住民税(の一部)を自分でえらぶ“地方の市区町村”に納められる制度です。
あとで紹介する「ワンストップ特例」がこの基本制度になります。
「確定申告」をすると、所得税をすこしだけ節税できる可能性があって、プラス「ワンストップ特例」とおなじように好みの“ふるさと”に住民税を納められます。こちらもあとで紹介します。
つまり、簡単にいいますと、元々納める税金の納税先を変更しているだけなんです。
元々納める税収の納税先を変更すると何がいいの?という疑問が出てきます。
メリット
自己負担2,000円程度で、2,000円程度を優に超える金額の食・生活用品等をゲットできる
一つ目のメリットは、ふるさと納税制度そのものです。
自己負担2,000円程度で、10,000円・20,000円以上の食・生活用品などを返戻品としてもらうことができます。
2,000円程度の“程度”は、ケースバイケースですが、もう+2,000円ぐらいと思っておいてください。あとで出てくる計算式で計算してみると分かります。
住民税の納税先を選べる
自分が住んでいる市区町村に毎年、住民税を納税していますよね。
その住民税の一部(=返礼品の額の分)を、自分の好きな地方の市区町村に納税できるようになります。
デメリット
居住地の行政サービスが悪くなる!?
デメリットを強いてあげるならば、というレベルのデメリットです。
ふるさと納税をしたからといってすぐに&直接的にデメリットを被るわけではないです。
ただ可能性として以下のような事が起き得ます。
市区町村には色々な行政サービスがありますよね。たとえば、図書館や公民館など公共施設・ごみ処理・上下水道・出産育児・介護など社会保障系。
これら行政サービスの財源のひとつが住民税。
自分が住んでいる所の行政サービスは自分が納めている住民税で成り立っているところもある、ということです。
ただ、財源は住民税だけではありません。全国平均で、財源のうち住民税分は約2割。
たとえばですが、図書館の改修工事が100万円かかったとして、そのうち20万円が住民税でまかなわれているということですね。
それでも住民税が減れば、他で埋め合わせをしないといけません。給料が2割減ったら大変ですよね。
「さとふる」「ふるなび」などのサイトとは?
ふるさと納税の制度を利用するための仲介業者
私たち消費者と“ふるさと(=地方の市区町村&地方の各種業者さん)”をつなげる役割を果たしています。
サイトは20種類以上
サイトは着々と増えて、20種類以上になっています。
これだけあるとどのサイトが良いのか選びにくいですよね。
サイト選びのポイント
選び方のポイント
- 商品数(自治体数)
- ポイントを貯めたいかどうか
- 決済方法が豊富
+
- サイトの見やすさ・わかりやすさ
まず、取り扱っている商品の種類が気になりますよね。提携している自治体数(=市区町村)が多ければ商品の種類が豊富になります。
つぎに、ポイントを貯めたいかどうか。楽天ポイントやヤフーのPayPayポイントやANAマイル、独自ポイントなど。
つぎに、決済方法が豊富かどうか。クレジットカード払い、PayPay払い、携帯キャリア払いなど。
そして何より、個人的にはサイトの見やすさ・わかりやすさが大事だと思います。つまり、自分にとっての扱いやすさ。
重要ポイント
①節税ではないことを理解
何度も言ってしつこいですが、ふるさと納税制度はいわゆる節税ではありません。
簡単にいいますと、納めるはずだった住民税の納税先を変更する&そのお返しとして返戻品を受け取れる制度です。
②自分の寄付額の上限を知る
いくらでも寄付できるわけではありません。
寄付できる金額(=“ふるさと”に納める住民税)は、自分の所得に比例して、上限があります。
後ほど、上限について解説します。
厳密にいいますと、上限はありません。ただ寄付額のうちの自己負担額が増えてしまいます。
➂ふるさと納税の“手続き”をおこなう
手続きをしないと“ただの寄付”になってしまいます。
ふるさと納税制度を利用するための手続きは2通り。「確定申告」or「ワンストップ特例」です。
寄付額の上限を知る


ふるさと納税を利用して「返戻品」を購入した際の購入額=寄付額です。
わかりやすくするために、商品の購入額のことを「寄付額」と呼ぶことにします。
この限度額をオーバーすると、自己負担2,000円程度で済まなくなってしまいます。
目的:自己負担2,000円程度で済ませるため
「寄付限度額」とは、寄付額が効率的に所得税の「所得控除」と住民税の「税額控除」にまわるかどうかどうかのボーダーラインです。
この限度額を守らないと、返戻品に対する自己負担2,000円を大幅に超えてしまいます。
あとで紹介する『計算式』が決まっているので、これは避けられません。
- 控除とは
-
控除には「所得控除」と「税額控除」の種類があります。
違いは下の図を参考にしてみてください。
所得控除は、税率を掛ける前の「所得」を減らす効果があります。
税額控除は、最終的に計算した税金額そのものを減らす効果があります。
所得控除と税額控除のイメージ
所得税と住民税


所得税と住民税の基本的なところを理解するとわかりやすいので、整理します。
まず、所得税の流れを確認していきます。
会社員は、毎月の給料から所得税が天引きされて、勤務先で年末調整をしてもらって、必要があれば「(所得税が)還付」or「(所得税を)追加で納める」。
自営業は、1年経った翌年に確定申告で所得税を計算して、「所得税を納める」or「(赤字の場合は源泉徴収分の所得税が)還付」。
つぎに、住民税の流れを確認します。
会社員は、前年の所得をベースに計算されて、毎月の給料から住民税が天引きされます。
自営業は、前年の所得をベースに計算されて、希望の納税方法で住民税を納めます。
- 還付とは
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最終的に計算した税金額は一度納めて、後日に返金してもらうことです。
住民税は「還付」という制度はないです。
住民税への効果




住民税は、税額控除。
寄付限度額内におさめると①、寄付限度額オーバーだと②のようなイメージ図になります。
ふるさと納税を利用することで、(寄付額-2,000円)が翌年の住民税から控除されます。
決まった計算式で計算してみると、結果的に、控除されるうち2,000円だけでなく+αの金額が自己負担になります。
→計算式は下の方の【寄付額の上限を知る】
そうはいっても、2,000円+αの金額で2,000円を大幅に超える金額の「返戻品」を購入できるのはいいでよね。
控除限度額をオーバーすると、上のイメージ図のように控除し切れずに自己負担額が増えます。
控除できる上限は、総所得金額の30%かつ住民税所得割額の20%までです。詳細や具体的な計算は、総務省「ふるさと納税ポータルサイト」のふるさと納税のしくみを参考にしてみてください。
所得税への効果




所得税は、所得控除。
ふるさと納税を利用することで、(寄付額-2,000円)の10%分が所得控除されます。
所得税については、寄付額が多ければ多いほど所得控除される計算式になっています。
ただ、所得控除の仕組み上、所得税が減る効果が大きいとは言えないです。
所得控除はオマケだと思っておいた方がよさそうです。
控除できる上限は、総所得金額の40%までです。詳細や具体的な計算は、総務省「ふるさと納税ポータルサイト」のふるさと納税のしくみを参考にしてみてください。
寄付額の上限を知る方法
「寄付限度額」の計算式は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」にある『全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安』を参考にするといいです。
というのも、一から計算すると大変です。
より細かく限度額を知りたい方は以下の計算式で計算してみましょう。
より正確な限度額を知るためには、税理士など専門家に依頼するのは良いです。


万が一、返戻品の購入額が「寄付限度額」をオーバーしてしまったら、「確定申告」をしましょう。「ワンストップ特例」とちがって住民税の控除だけでなく所得税の還付があるからです。オーバー分をすこしはカバーできるかもしれません。
ふるさと納税を始めるための手順
自分の所得におうじた寄付できる限度額を知らないと、自己負担2,000円程度で済まなくなってしまいます。
寄付したい(=住民税を納めたい)地方の市区町村を自由に決めます。
希望の商品やサービスを決めると選びやすいかもしれないですね。
ふるさと納税の制度を利用するための仲介業者を選びます。
「さとふる」「ふるなび」など。
商品やサービスの購入は、ヤフーや楽天など通販サイトとおなじ感覚でできます。
ポチったら、あとは商品が届くのを待つだけです。
忘れてはいけないのが“手続き”です。
会社員の方は基本的に「ワンストップ特例」、自営業の方や毎年確定申告をしている方は「確定申告」で“手続き”しましょう。
「ワンストップ特例」と「確定申告」の違い


「ワンストップ特例」と「確定申告」の違いは、上のイメージ図のとおりです。
結論、会社員など毎年確定申告していない方は、「ワンストップ特例」で良いと思います。
自営業など毎年確定申告している方は、「確定申告」のついでにふるさと納税の手続きもおこなえばいいと思います。
寄付先が6カ所以上になる場合は、普段は確定申告をしていない会社員の方も「確定申告」しなければいけません。
「確定申告」の方が『所得控除』がありますが、大きな効果は見込めないので、会社員などは費用対効果を考えて「ワンストップ特例」がいいと思います。
ふるさと納税が向いていない人
ふるさと納税が向いていない人
- 所得税を払わなくていい人
- 住民税を払わなくていい人
- 赤字の人
所得税をそもそも払わなくていい人は、たとえば自営業の方で「赤字になっている人」です。
住民税をそもそも払わなくていい人は、たとえば「扶養に入っている人」や「住民税非課税世帯の人」です。
ふるさと納税は、所得税や住民税から所得控除・税額控除できるものです。そもそも所得税や住民税を払わなくていい人は、ふるさと納税の制度をフル活用できないということです。
ふるさと納税の裏側


自分が寄付した金額の内訳
寄付額を支払って、返戻品を受け取って、住民税が控除or所得税が還付されればそれで満足です。
が、ここでは参考に、自分が寄付した額の内訳を掲載しておきます。
内訳
- 返戻品:最大30% ※経費と合わせて最大50%
- 経費:最大20% ※経費と合わせて最大50%
- ふるさとへの納税額:最低50%~